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No.328【エッフェル塔と択捉島の違いを教えて!?】

2017/07/02
昨日の社会の授業をしていたときに、ある生徒さんが「エッフェル塔択捉島の違いがわからへん!」という悩み?を話してくれました。
正直なところ、一瞬「えっ?」となってしまったのですが、直後にこの生徒さんの発言は、現代の子どもたちがおかれている環境に関して非常に示唆に富んだ内容であるなと思いました。
エッフェル塔」と「択捉島」。
一方は建造物で他方は島なので、僕たちの視点からすれば明らかに違うものです。
しかし仮に、自分の頭の中にパリの市街地に聳え立つあの塔のイメージと、定期的にニュースで目にするロシアと揉めているあの島であるというイメージが無かったらどうでしょうか。
かつ、「エッフェル塔」と「択捉島」という文字情報としての二2つの単語が頭に無かったら。
この全く異なるように見える2つの単語ですが、仮に上に書いたようにイメージと文字情報が無かったとしたら、その子にとってこの2つの単語は次のように聴覚情報として認識していると予想することができます。
「えっふぇるとう」と「えとろふとう」。
確かに似た単語群として認識してしまうのも頷けます。

今の子供たちはスマホネイティブと言われるように、物心つくころからずっとスマートフォンのようなデジタルデバイスに囲まれています。
そこで表示されるやり取りは直感的に認識可能な記号や絵に近い情報が中心です。
また、テレビやYoutubeなどから得られる情報は聴覚情報が中心で、しかも多くが論理的な認識ではなくリズムや感覚的な面白さを重視したものが中心になりつつあります。
そして、こうしたデバイスには娯楽が溢れており、わざわざ本を読むといった娯楽に意識が向きづらくなっています。
これらの要因から、今の子供たちが過ごす環境には活字を理解する必要のある場面は極端に少なく、かつなんとなくの聴覚情報で物事を判断するというのが当たり前になっているのではないかと思うのです。

ここ数年、子どもたちと接していると特に写し間違いや書き間違えが増えてきているように思います。
初めは単に速く解こうとすることが原因で生じるケアレスミスかと思っていたのですが、実はこうしたミスの背景には、子どもたちを取り巻く環境が少なからず影響を及ぼしているのではないかと考えるようになりました。
①文脈とは切り離された記号としての文字情報とリズムを重視した身近な聴覚情報を、②直感的・感覚的に認知するという習慣は、勉強とは非常に相性が悪いものといえます。
子どもたちを取り巻く環境がそうなっている以上、大人の僕たちは意識して文字と音とイメージをしっかりと繋げる訓練をできる場を提供しなければなりません。
僕たちは日々の授業が少しでもこういった練習の場になるように心がけていますが、どうしても週に数時間の授業では限りがあります。
日常生活の中で、自ら意識して文字と音とイメージを繋げる訓練をする。
こうした姿勢がデジタルデバイスに囲まれた環境で学ぶこれからの子どもたちには非常に重要になってくるように思います。

因みに「エッフェル塔択捉島の違いがわからへん!」と言ってくれた先の生徒さんには、iPadで2つの写真を見せて、字を教えたらしっかりと納得してくれました。
考えるきっかけを与えてくれて、ありがとう!