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ほぼ日刊、SEED君のひとりごと

京都府西京区阪急桂駅前の学習塾、シードゼミのブログです。Facebookで更新しているコラムを転載しております。

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中学準備講座特設コラム③文字をしっかり読めますか?

去年に新開講した中学準備講座のために書いたコンテンツの再掲載です。

 

 

普段あたりまえに行っている「読む」ことを利用して、ちょっと遊んでみたいと思います。試しに下の文章を丁寧に読んでみてください。

「ほうれんそうを食べると超人的な力を発揮するポパイ。アメリカで大人気のポパイは、初めはほうれんそうを食べるのではなく、にんにくの臭いを嗅ぐことで力を出していました。ある時、にんにくが無くて偶然目の前にあったほうれんそうを口にしたポパイは、いつも以上の力が出せることに気がつきます。以後、ポパイはピンチの時にほうれそんうを食べるようになり、やがてほうれそんうがポパイの代名詞となりました。」

 アメリカのヒーロー、ポパイについて簡単にまとめました。わたしたちは通常、カタカナとひらがな、そして漢字が混ざった文章を日本語として読んでいます。文章を読む際、この3種類を使い分けていることで、わたしたちは内容をより速く理解することができるのです。  かな文字と漢字を使い分けることの凄さを感じるために、「abさんご」という作品の一部を抜粋してみたいと思います。

「おもいちがいをしている者をはずかしめまいと、はじめからそのつもりだったふうにさりげなくもてあしらうのはしぜんなたしなみであるから、十ねんあまりふたりだけで向きあってきた卓に三にんぶんの皿が並べられていったとき、親子はかおを見あわせはしたがさえぎりはしなかった.」 〈黒田夏子abさんご」〉

 意図的に漢字を使わずに書かれたこの作品は、前のポパイの文章に比べて、かなり読みづらくなります。漢字とかな文字を使い分けることには、文章をスムーズに読ませるという利点があるのです。

 スムーズに読める一方で、文章を読む際、わたしたちは気をつけないと思い込みで読んでいます。先ほど「丁寧に」読んで欲しいと書いたポパイの文章、途中から「ほうれんそう」が「ほうれそんう」となっていたことにお気づきでしょうか。自分では丁寧に読んでいるつもりでも、案外思い込みで読んでいることが多いのです。

 中学校に入るまでに身に付けて欲しい力のひとつが「正しく読む力」です。ポパイの例は思い込みの根強さを示す典型ですが、他にも正しく読むために必要な力があります。こちらをご覧下さい。

「主体の意識=身体の働きかけを通じて、一つの単語、一つの文の意味作用が垂直次元で深化し、単純と見えたものがカオティックに流動化し、瑣末と見えた細部同士が不意に共鳴し合い、意味が冪乗化(べきじょうか)し形式が豊饒化するとき、――そのとき初めて「読むこと」という「媒介」はその真の潜勢力を発揮したことになる。」〈松浦寿輝「媒介の倫理」〉

 この文章、声に出して「読む」ことはできても、内容を理解するという意味での「読む」のは相当大変です。内容が理解できない最大の理由は、聞きなれない語が多いことにあります。正しく読むために必要なもう一つの力は、知らない言葉を読み流さないでしっかりと辞書を引くことです。

 中学校では、「言葉で理解する勉強」が求められます。そのため文章を正しく読む力が絶対的に重要なのです。実は、中学校に入って急に成績が下がってしまう子のほとんどが、科目以前にここで躓いています。思い込みで読まないことと知らない言葉をスルーしないこと。このふたつをきちんと守った文章の読み方ができれば、中学校の勉強では絶対に躓きません。中学校に入って、いいスタートを切るために、今のうちから「正しく読む」ように心掛けましょう。