教えて、シード君!

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No.382【大事な努力だからこそ「損切り」をしよう。】

こんなに投資したのだから、今更引けない。
最終的に上手くいけば、全部がチャラにできるはず。

本日はテスト対策ということで、朝10時から教室を開けていました。
本当は18時閉室だったのですが、生徒さんの熱意に押されてついつい9時過ぎまで開けてしまいました。
テスト直前期ということで、本当に皆さん頑張ってくれていました。

どの生徒さんもみんな一生懸命に勉強してくれているからこそ、少し厳しい言い方かもしれませんが、1つだけ皆さんにアドバイスがあります。
それは、「結果に繋がらない浪費を深追いするな」ということです。
今日も質問に来てくれた方のうちの何人かには言いましたが、テスト直前期の対策には「損切り」が大切です。

経済学の用語に「サンクコストの呪縛」というものがあります。
これは、時間や労力などをある物事に投資すればするほど、結果が出ていないと元を取らなければという思いが膨らみ、「途中で撤退する」という選択が取りづらくなるというものです。
結果ズルズルと引きずってしまい、そこで切り上げるのよりも何倍も大きな損失になってしまう。
皆さんもこんな経験をしたことがありませんか?

いうまでもなく、勉強には目的に向かって最大限の努力をすることが必要です。
しかしそれは十分に時間があるときに言えることです。
残念ながら定期テストは範囲も決まっており、試験までの時間も限られています。
しかも何科目もの対策を同時にしなければならない。
そんな、制約がいくつもある場合には、今ある自分の能力の中で最もいい結果をあげるために、時として「損切り」というものが不可欠なのです。

冒頭にあげたのは、サンクコストの呪縛に囚われて損切りができなかった結果、最終的に上手くいかない人の典型的な思考法です。
テスト勉強でこれに似た気持ちになっているという人はいませんか?
折角日曜日に頑張ってテスト勉強に来てくれている。
だからこそ、僕たちは皆さんに現状でとることができる、もっとも良い戦略を選択して欲しいのです。
塾生が通う多くの高校では今週の火曜日から試験が始まります。
損切りさえできれば、やれることはまだまだあります。
是非範囲が多くて心が折れるなんてことはなく、今取れる最良の選択をするようにして下さい。
そうすれば、まだまだ実力は伸びます。

No.381【東大の過去問に学ぶ!?テスト対策と深い学びの重要性】

It probably did not strike these early photographers as strange that only the permanent things appeared in the photograph; for them only the permanent was “real”.
「おそらく、動かないものしか写真に写らないことは、初期の写真家にとって奇妙なことではなかったはずだ。彼らにとって、建物のような動かないものだけが「現実」だったからだ。」

銀版写真で撮影された、下の絵を見てください。
真昼のパリの街中なのに、人が誰もいない。
みなさんは人が写っていないことが奇妙に感じませんか?
現代を生きる僕たちにとって、写真はとはボタン一つで何でも写せる装置です。
しかし、写真が発明されたばかりのころは、そんな手軽に撮影できるものではありませんでした。
発明されたばかりの頃の写真は、撮影に長い時間がかかりました。
そのため、当然人や乗り物のような動くものは写真に写りません。
当時の人々にとっては、写真とは「動かないもの」を写す装置であり、そこに人が写っていないのが普通だったのです。

冒頭の英文は、昔東京大学で出題された問題から抜粋したもので、文化や時代背景の違いによって人々の認識は異なるということを述べられています。
写真が発明されたばかりの人にとって、動建物や背景しか写っていないのが当たり前で、むしろ人がジャンプした写真などが写っている現代の写真こそ「奇妙」に見えるのです。
Clotaire Rapaille教授は『THE CLUTURE CODE』という本の中で、たとえばフランスでは「太陽」は男性を、「月」は女性をイメージする言葉であるのに対してドイツではほとんど真逆に認識されるというように、特定の言葉や現象がある文化の中でどのような認識をされているかを分析しています。
ある言葉に対するイメージ(CLUTURE CODE)は文化によって異なり、それを理解することが言語学習には重要です。

中学生・高校生の生徒さんが最後まで悩む知識の一つに分詞形容詞というものがあります。
例えば次の問題を見てください。
They won the game easily. The coach looked ( ) with the result.
① please ② pleasing ③ pleased ④ to please (佛教大学
この問題は③が正解なのですが、多くの生徒さんが②で間違えます。
後半の部分を和訳すると、「コーチはその結果に喜んでいるように見えた」となります。
「喜んでいる」だから能動形っぽい[pleasing]で②が正解ではないのか?と考えたいところですが、実際には受動態のような形をとる[pleased]が正解となります。
なぜ直感的な感覚とは真逆のものが正解になるのか?
そこにはCLUTURE CODEが関係しています。

気持ちを表す単語が多い分詞形容詞ですが、これらの単語の理解を複雑にしている原因は、日本人と英語圏の人々の持つ「気持ち」に対するイメージの違いにあります。
たとえば日本語の助動詞「れる」「られる」には「受身」「可能」「自発」「尊敬」の意味がありますが、「自発」は気持ちと関連した言葉で「自然と~する」という意味を持ちます。
この助動詞の意味から、日本人にとって「気持ちは内からこみ上げるものである」というイメージがある事が分かります。
一方で、英語圏の人にとっては、気持ちとは「周囲に影響されて生じるもの」です。
「わくわくする」というのは周囲から影響されてわくわくしただし、「驚いた」なら周囲に驚かされたといった具合です。
アメイジングスパイダーマン(The Amazing Spider-Man)」という映画がありますが、あれはスクリーンの中を縦横無尽に駆け巡り、観客に「あっ」というような驚きを与えてくれる蜘蛛男が活躍する物語なのです。
決して「びっくりしている蜘蛛男」のお話じゃありません(笑)

こんな風に日本語と英語の持つ「気持ち」に対する認識の違い(≒CLUTURE CODE)を理解することで知識の理解は何倍も膨らみます。
より深いレベルで「理解した」と思うには、表面的な知識で終わることなく、より掘り下げた説明が不可欠なのです(もちろんシードゼミではそこまで教えます!笑)
単語や公式を覚えることは大事ですが、それが目的になっていませんか?
勉強は、突き詰めると極めてシンプルです。
納得できないものがあれば調べてみて下さい。
調べて分からなければいつでも僕たちに聞いて下さい!
必ず納得できる説明をしてみせます。

 

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写真は(http://www.geocities.jp/sakushiart/syasin.htm)から引用させていただきました。

No.380【テスト勉強で大事な事は、努力の前に弱点の分析だ!】

「とにかくテスト範囲を丸暗記すればええんやろ?」
テスト対策をしていると、こんなふうに言う生徒さんを時々みかけます。

―とにかくテスト範囲を気合で覚えてしまえば乗り切れるはず。―

これはテスト勉強が思うようにいかない生徒さんが陥りがちな大きな思い違いです。
テスト勉強に関して言えば「覚えていなければ何も始まらないのは事実だが、覚えているだけでは意味がない」というのが正確です。
いくらその単元を覚えても、仮にその生徒さんがつまずいている原因が他の単元にあったとしたら、折角の努力の成果が結果に繋がらない場合があります。


東北で牡蠣の養殖業を営んでいる畠山重篤さんは、牡蠣の不漁の原因を森林伐採に見出し、自ら山に入り植樹活動を続けました。
海へと流れ込む川の水の栄養の減少が牡蠣の不良の原因と考え、川の水の元になっている豊かな森林を取り戻す運動を始めたのです。
しばらくして森林が戻り始めると、畠山さんの読みどおり、気仙沼に豊かな漁場が戻ってきました。
これは正確に原因を捉え、的確な対策を講じた典型例です。
(もしかしたら道徳の教科書かなんかで見たことがある人もいるかもしれません)

『The Goal』の著者であるエリヤフ・ゴールドラット教授は、全体の成果はボトルネックになっている部分の生産性によって決まると述べています。
たとえば、ある商品がA→B→C→Dという工程を経て作られているとして、仮にBが一時間に2個しか処理できないボトルネック(一連の工程の中で最も課題を抱えている部分)になっているとしたら、他の工程の生産性をいくら上げた所で一時間に作り出すことのできる商品の個数は変わらないというわけです。
この商品の生産性を上げるには、工程Bの生産性を改善する他ありません。

 

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エリヤフ・ゴールドラット教授のこの理論は勉強にも当てはまります。
例えば因数分解を解けるようになるために頑張っているのに、なかなか成果がでなくて悩んでいる生徒さんを見かけます。
そんな生徒さんをよくよく見ていると、実はつまずいているのは因数分解の知識ではなく、結合法則や正負の掛け算であったりすることが少なくありません。
いくら頑張って3年生で習ったばかりの因数分解や乗法公式の練習を繰り返していても、正負の計算での間違えが多いために結果に繋がらないのです。
或いは受動態についても同じことがいえます。
例えば、受動態を習って「~されるは[be + 過去分詞]」みたいに丸暗記したとしても、実は一般動詞とbe動詞の区別でつまずいていたり、否定文・疑問文の書き換えでつまずいていたりしているためにどれだけ頑張っても上手くいかないという状態が続いているというパターンがあります。
どちらも、「対応すべき場所」を間違えているが故に折角の努力が報われないのです。

冒頭で紹介した畠山さんは、的確に原因を見つけて、それに対して適切な対応をしました。
勉強で重要なこともそれと同じなのです。
仮に「テスト範囲」を丸暗記したところで(できたところで)、自分がつまずいている原因が他にあったら成果には結びつきません。
冒頭で「覚えていなければ何も始まらないのは事実だが、覚えているだけでは意味がない」と言ったのはこういう意味です。
勉強で成果をあげるには、①ボトルネックになっている部分を的確に見極め、②そこを最優先で解決することが必要なのです。
もし心辺りがある人がいましたら、早速今回のテスト勉強に取り入れて見てください。
自分がどこでつまずいているか分からない人は、いつでも聞きにきて下さい!

No.379【英単語を覚える仕組みと「覚えられない」理由の突き止め方】

「単語」をどう覚えればいい?
現在、塾生さんが通っている中学校・高校の多くが定期テストの期間で、土曜日・日曜日に試験対策の授業がある生徒さんはもちろんのこと、そうでない生徒さんも頑張って自習に来てくれています。

「英単語ってどうすれば簡単に覚えられるの?」
昨日ある生徒さんがこんな質問をしてくれました。
もちろん「こうすれば覚えやすいよ」とか「こういう手順で繰り返せば定着率が上がりやすい」とか、「覚えやすい」と言われるやり方はいくらでもありますが、大前提として「このやり方で何回やれば覚えられる」といった絶対的な「解法」は存在しません。
英単語のように純粋な「知識」に関しては、①自分にあったやり方で②定着するまで繰り返すしかないのです。
ただ、そうはいっても折角質問をしてきてくれたのに「知らん!」と3文字で返すのはさすがに不親切だと思ったので、単語を覚えるための指針になるかもしれない、「切り口」はお伝えしようと思います。

まず、「ある英単語が覚えられた状態」を考えると、下図のように①概念の理解②日本語③発音④綴りの4つの階層がもれなく定着している状態であると考えられます。
例えば[apple]という単語であれば、綴りの他に「アップル」という響き、「りんご」という日本語、そして「手のひらサイズの丸くて赤くて甘い果物」みたいなイメージのどれもが頭に浮かぶのではないでしょうか?
「ある英単語が覚えられる」というのは、これら4つの階層がしっかりと定着している状態です。
最終目標を「単語のつづりを覚える」というところに置いたとき、それが上手く覚えられないというのは、下の階層(発音/日本語/概念の理解)のいずれか(もしくは複数)が欠けていることに原因があるという場合が殆どです。

例えば[identity]という単語を生徒さんに聞くと、「アイデンティティ」という読みも分かるし、意味を聞くと「自己同一性」と答えられる人が多くいます。
しかし「で、『自己同一性』って何なの?」と聞くと殆どの生徒さんが答えられない。
これは、先ほどの階層でいうと①の概念の理解がスッポリと抜けている状態です。
単語の概念がはっきりとしていないため、何度見ても印象に残らない。
結果、綴りが覚えられないとなってしまうのです。
もう一つ、今度は[daughter]という単語を考えてみます。
この単語は発音が覚えづらい単語の典型で、(あまりカタカナ読みは好きではないのですがあえてするなら)「ドウター」と発音します。
[daughter]の日本語は「娘」で、「娘」という言葉の概念が分からないという人はまずいないでしょう(笑)
この単語は③が欠けた状態です。
だからやっぱり綴りを覚えられない。

テスト前に時間がないとあせればあせるほど、綴りだけを丸暗記しようとしがちです。
しかし、そもそも単語は下のピラミッドのような構造で認識されているものなので、①~③のいずれかが抜けていたら、一気に定着率は下がってしまうのです。
急いでいるからこそ、覚えられない単語に出会ったとき、自分はどの階層が抜けているのかを考える。
まさに「急がば回れ!」です。
最終的な定着の可否は、費やした時間によって決まりますが、覚える仕組みを考えたら上のように考えることができます。
だから、どうしても覚えられない単語があったら、自分はどこが抜けているのかを考えてみたらいいかもしれません。
(これで、昨日の「解答」になったでしょうか?)
今週も日曜日は教室を明けています。
どんどん自習に来てください!

 

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No.378【その対策は本当に有効ですか?見当違いの勉強を避けるための処方箋】

僕たちは普段の指導の際に、生徒さんが躓いている原因の正確な特定と、それに対する的確な対処法の提示を常に心がけています。
①躓いている理由が正確に分かり、②それに対する的確な対処をするからこそ成績が伸びるわけです。
僕は生徒さんが伸び悩んでいる原因を特定する際に、しばしば以下のような論理マップを用います。

ある問題を解こうと考えたとき、その問題を解くのに必要な知識は、特定の単元内容だけでなく既習の内容も用いられている場合が殆どです。
仮にそれが仮定法の問題であるとしても、仮定法の知識だけが分かれば解けるという問題は稀で、実際には他単元の知識が身についていることが必要なのです。
つまり、問題が解けない原因を探ろうとすれば、単元毎に完全に独立しているのではなく、互いに関連しあっているという前提は非常に大事になってきます。

たとえば、仮定法が苦手なA君がいたとして、彼が間違えた問題をプロセスに分解すると、①文型の知識、②時制の知識、③仮定法の知識に分かれているとします。
そしてA君の場合①文型の知識も③仮定法の知識もある程度勉強ができていて、それぞれ70%、60%以上定着しているけれど、②の時制が苦手で20%しか定着していないとしましょう。
問題を解くにはそれぞれのプロセスをフィルターのように通過させなければなりません。
とすると、A君のこの問題におけるアウトプットの質は最も理解度の低い②時制の知識の20%になってしまうのです。

A君のようなパターンの場合、多くの生徒さんが「今やっているのは仮定法だし、実際に十分に理解ができていない(上の例でいけば60%)のだから..」と感じ、③仮定法の知識を60%から70%、80%へと引き上げるといった勉強をしてしまいます。
しかしながら、③をいくら引き上げたところで、時制のフィルターを20%しか突破しないのであれば、いくら③のパーセンテージを上げたところで無意味なのです。
A君の場合にまず行うべきは、「いかに早く時制の知識を60%以上に引き上げるか?」の一択です。

頑張って目の前の勉強に打ち込めば打ち込むほど、根本的な原因になっている部分に対しては意識が向かなくなってしまいます。
(もちろんそういうときに的確に原因を見抜き、アドバイスを行うことが僕たちの仕事なのでどんどん頼ってくれればいいわけですが…笑)
勉強にはやる気や根性も大切ですが、それが全てではありません。
「頑張ろう」と思っているときほど、一歩引いた視点で現状を分析してみる。
そこで論理的に正しいだろうという仮説を立ててから勉強に打ち込むと、驚くほどに結果が変わるかもしれません。
勉強は「難しいから分からない」のではなく「原因が分からないから難しく感じる」のです。
原因の分析と的確な対策。
このことを常に意識して問題と向き合ってみてください。

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No.377【因数分解を英語と社会に応用する!?】

因数分解って役に立つやんな?」
先日の授業終わり、数学の先生とこんな話で盛り上がりました。
なんでも生徒さんから「因数分解なんて勉強してなんの役に立つの?」と言われたのだそう(笑)
確かに、ab+ac+adをa(b+c+d)にするみたいに文字式をいじっていることが社会に出てからなんの役に立つのか分からないという生徒さんの言い分もなんとなく分からないではありません。
文系科目を教える身として、生徒さんの言い分の肩を持ちたい気もします。

ただ、僕が生徒さんのから「因数分解なんて役に立つの?」と仮に聞かれたとしたら、間髪入れずに「むちゃくちゃ役に立つよ!!」と答えます。
実は僕、大人になってから因数分解をむちゃくちゃ使っています(笑)
もちろん、ab+ac+adをa(b+c+d)にするみたいな文字式を解くことが多いということではありませんが、「物事を要素に分けて、共通部分で仲間分けする」という「考え方」の部分はむちゃくちゃ役に立ったりします。
極端な話、英語の勉強にだって「因数分解」は役に立つのです。

次の例文を見てください。
①The game was over. (その試合は終わりました)
②She was run over by the car. (彼女は車にひかれた)
③Can you see the bird over there? (向こうにいる鳥が見えますか)
④The woman must be over 35. 彼女は35歳を超えているに違いない)
⑤We talked over a cup of coffee. (私たちはコーヒーを飲みながらおしゃべりをした)
どの英文にもoverが使われていますが、全く異なる訳になっています。
みなさんならこれらの英文(いずれも高校入試や大学入試に頻出の表現です!)を、どうやって覚えますか?

実は上に挙げたような英語の表現を覚えるときにも、「因数分解」がむちゃくちゃ役立ちます。
①から⑤の全てに登場する単語(数学の因数分解でいうところの「共通因数」)を探すと、いずれの表現にも[over]という単語が使われていることに気がつきます。
一見すると①「終わる」②「ひかれる」③「向こうに」④「~歳以上」⑤「コーヒーを飲みながら」という表現は全く違うものに見えますが、実は[over]という単語の基本イメージさえしっかり押さえておけば、全てが一つの仲間として理解することができます。

[over]には、下の図に示したように「ある物体の上を飛び越える」というイメージがあります。
このイメージがあると、それぞれの英文にも出てくる表現が直感的に理解できるようになります。
たとえば[run over]であれば「車がある物体の上を覆いかぶさるように走っていく」なので「ひく(ひかれる)」という意味に、[over +年齢]であれば「ある年齢を超えて」で「~歳以上」、[over there]なら中距離を表す(そこ)という意味のある[there] を超えてという意味なので「そこより遠くを指差す言葉」という意味で「向こうに」という意味になります。
或いは[The game was over.]「試合が終わりました」なら、スーパーマリオでゴールのポールを飛び越えるところを想像してみてください。
ゴールを飛び越えてゲームクリア、つまり「終了」になりますよね。
上で挙げた例の中で最も難易度の高い(大学入試でよく聞かれます!)[over a cup of coffee]という表現も、カフェでコーヒーを飲みながら友達としゃべっている状態を想像してみてください。
コーヒーを飲みながら話をしている時は、「コーヒーの上を会話がいったりきたり」していますよね?
だから「コーヒーを飲みながら」という意味になるわけです。

上に挙げた例文は、いずれも中学校1年生レベルの単語から成るものです。
しかし、仮に[over]という「共通因数」でまとめなければ、特別な意味を持つ表現として5つを別々のものとして丸暗記しなければなりません。
熟語を覚える際に、「因数分解的な考え方」が身についていると、圧倒的に覚える量を減らすことができるのです。

因数分解ができるようになると、日常生活のあらゆるところで、こうした情報の圧縮や仲間分けができるようになります。
そして、日常生活でそれができると、効率よく物事を処理したり、新しい価値を生み出したりすることができるのです。
例えばコンビニで宅配便を受け取ることのできるサービスがありますが、これはコンビニをよく利用する「一人暮らしの若者」というお客さんと、宅配便を頼んでも仕事でなかなか家で受け取ることのできない「一人暮らしの若者」という「共通因数」でくくったためにうまれたサービスです。
こういう視点で見ていくと、因数分解は社会の至る所で使われていることに気がつきます。
確かに、文字をいじくってカッコに括るという行為として捉えれば、「因数分解が何の役に立つの?」と思うかもしれません。
しかし、社会の現象や自分の目の前にある課題に対して具体的に因数分解を当てはめてみると、案外いろいろなところで役に立つことに気づきます。
どんな道具も使う人次第です。
どうせ覚えなければならない「知識」なら、勿体無いのでいろいろなところで役立ててみませんか?

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No.376原因を特定して処方箋を打とう!

よく、問題が解けないという悩みを生徒さんから聞くのですが、「問題が解けない」という場合に、自分は何が原因で問題が解けないのかを把握することが非常に大切になってきます。
みなさんは「問題が解けない理由」が自分できちんと理解できていますか?
学校のドリルでも定期テストでも、それが入試問題でであっても、基本的に出題される問題の難易度は、使うべき知識(構成要素)と問題を解く手順(工程)の2つの要素からできています。
それに基づいて①構成要素が多く工程が複雑な問題、②構成要素は多いが工程は単純な問題、③構成要素が少なく工程も単純な問題、④構成要素は少ないが工程が複雑な問題に分けることができるのです。

例えば、問題を解くのに必要な知識が[ e ][ i ][ l ][ m ][ p ][ s ][ u ]という7つの構成要素で工程が7段階の問題を考えます。
正解の手順が[ i → m → p → u → l → s → e ]であったとして、そもそも7つの知識のうちの一つでも分からなければ問題は解けませんし、仮にすべての知識を知っていたとしても、解き方の手順を知らなければ7!(階乗)で5040通りの工程を試さなければいけないことになります。
限られた時間内に5040通りものパターンを試すなんて不可能です。
そのため、正しい手順(あるいは途中までの解き方)を覚えておくことが必要になるのです。
これが構成要素も多く手順も複雑な①のパターン。

次に、②の構成要素は多いが手順は単純な問題というのを考えます。
工程は①と同様に7段階だけれど、使う知識(構成要素)は4つに減った[ c ][ c ][ e ][ s ][ s ][ s ][ u ]の場合を考えます。
この場合、踏むべき工程は7段階と先ほどと同じですが、構成要素は4つに減ったため、覚える知識量が圧倒的に少なくなっています。
また、同じ知識を使えばいい場合、同じ工程数でも手順は少なくなるのです(今回の例であれば420通り)。
仮にこの問題の正解の手順が[ s → u → c → c → e → s → s ]であったとして、①と比べると大幅に解きやすくなっていることが分かります。

次に構成要素も工程数も少ない③のパターンです。
ここでは要素が3つ([ h ][ o ][ t ])、工程数が5段階の、[ h ][ o ][ o ][ t ][ t ]という場合を考えます。
この場合、全部のパターンを試しても30通りしかないため、仮に手順を知らなかったとしても、スピードが速い人ならばゴリ押しで[ t → o → o → t → h ]という解答にたどりつけてしまうことがあります。
(中学校の勉強はできたのに、高校の勉強が苦手という人にこのパターンが多いです…)

最後に工程は少ない(5段階)が要素5つと多い[ a ][ e ][ k ][ p ][ s ]の場合です。
この場合、工程数はそれほど多くなく(120通り)、ゴリ押しで数えても何とかなりそうですが、覚える量が5つあるため、ひとつでも覚えていなければ解けません。
これが④に該当する問題の難しさです。

「問題が解けない」と感じたとき、自分は①~④のどの象限の問題に対して「解けない」と思っているのかを分析することが大切です。
もし①で迷っているのなら、それは現時点では解けなくていい場合が多く、③で迷っている場合は十中八九どこかで単純な思い違いをしているか十分な時間をかけていないかです。
大切なのは②と④のパターンで、自分が解けないと感じる問題が④に該当する場合が多ければ、問題演習は一度やめて知識の定着を徹底しなければなりません。
反対に②のパターンであれば、演習の際にどういった手順があるのかを意識しながら解く習慣をつけることが重要です。

漠然と「問題が解けない」では、原因と対策の不一致が起こり、十分な成果は得られません。
まずは原因の特定が大切。
「なぜか分からないけれど問題が解けないなあ」という人は下の図を参考に、原因を特定してみてください。

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